MacOSXには最初から「Apache 1.3.26」と「PHP 4.1.2」がインストールされていますが、セキュリティへの配慮から、デフォルトではPHPを動かすことができない設定になっています。
これはつまり、MacOSXのサーバとしての機能を拡張すればするほど、セキュリティへの配慮が必要になってくることを意味しています。
特に常時接続をしている人は、「システム環境設定/共有」のファイアーウォール機能を利用するなどして、注意を払うようにしてください。 また、NetMonitorというツールを常駐させることで、自分のMacへのデータの出入りを監視することも可能です。 自分の認識していないデータの流出がある場合は、サーバ機能をオフにしたり、Macを終了させたりして自衛するようにしてください。 ※ NetMonitor($6.95) のダウンロード先:<http://homepage.mac.com/rominar/net.html> |
不可視属性のディレクトリやファイルにアクセスする必要がしばしばあるため、TinkerTool を利用して、これらを表示可能にしておくと便利です。
以下の説明は、不可視属性のディレクトリやファイルがすべて見えていることを前提に書かれています。
インストールも簡単ですし、多言語化(日本語を含む)されているので初心者でも安心して使えるはずです。 ※ TinkerTool 2 (Free) のダウンロード先 <http://www.bresink.de/osx/> |
他のサイトでの解説では、パーミッション設定をすべてターミナル(chmod 666 など)でおこなうようになっていますが、この解説はあえてターミナルでの作業を減らす方向で書いたため、Finderの「情報を見る/所有権とアクセス権」
を利用することにしています。 具体的な手順は次のとおりです。
(メニュー選択、コンテクストメニュー、コマンド+ i などお好きな方法で) 2)所有権とアクセス権を表示。 3)右の鍵をクリックして変更可能状態へ。 4)オーナーを目的に合わせて変更する。 また、文中にしばしば出てくる「username」は、自分のログイン名に置き換えて読んで下さい。
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Finderの「情報を見る/所有権とアクセス権」でオーナーを変更する場合や、ターミナルで「sudo」を使う場合など、パスワードを求められることがありますが、その記述を省略していることがありますので、あらかじめご了承下さい。
また、実際にパスワードを求められた場合は、自分のログインパスワード(個人でMacを使っている場合はほとんどこれで大丈夫なはずです)を入力して下さい。 |
不可視属性ディレクトリを表示した状態だとわかりますが、しばしば出てくる「/etc/」というディレクトリの正体はエイリアスで、その実体は「/private/etc/」にあります。これはUNIX標準にあわせるための仕様なので、ターミナルでも「/etc/」とだけ入力して問題ありません。 |
A:ユーザー別の設定ファイル「username.conf」を変更する
2)「username.conf」のオーナーを“システム”から“username(自分)”に変更。 ※念のため複製&変名をしたバックアップを残しておくことをお薦めします。 3)テキストエディタ(ソフトは何でも良い)で「username.conf」を開きます。 すると、初期状態の場合は以下のような記述になっているはずです。
4)これを次のように変更します。 ※ついでにPerl-CGIやSSIも動作するようにしています。
5)ファイルを保存&閉じ、オーナーを“システム”に戻します。 |
B:ユーザー共通の設定ファイル「httpd.conf」を変更する
2)「httpd.conf」のオーナーを“システム”から“username(自分)”に変更。 3)テキストエディタ(ソフトは何でも良い)で「httpd.conf」を開きます。 このファイルは1068行もあるので、次の3行を検索し、コメントアウト(#)の文字を削除します。
4)続けて次の3行を検索し、コメントアウト(#)の文字を削除します。
5)ファイルを保存して閉じ、オーナーを“システム”に戻します。 |
以上で、Apacheが PHP, Perl-CGI, SSI を認識できるようになりました。 「システム環境設定」の「共有」にある「パーソナルWeb共有」のチェックボックスを(すでにオンになっている人は、一度オフにしてから)オンにすると、 共有サービスリストの下に
と表示されているはずです。(数字の部分は環境によって異なります) この「http://192.168.0.x/~username/」が示す実際のディレクトリは、ホームディレクトリにある「サイト」です。 今後はこの「サイト」ディレクトリの中で実験をすることになります。 それではとりあえず「サイト」の中に「<?php phpinfo() ?>」という一行を書いた「test.php」を置き、 「http://192.168.0.x/~username/test.php」にアクセスしてみましょう。 上手く表示できない場合は、設定ファイルが正しく(usernameを自分のログイン名に書き換えましたか?) 記述しているかどうかを確認してください。 |
次に、PHPのバージョンアップを行います。 MacOSXに最初から入っているPHP Ver4.1.2でもXOOPSは一応動作しますが、 アルバムモジュール等に必須となっている「GD」ライブラリが不足しているので、いっそのこと バージョンアップしてしまおうというわけです。 ただし、バージョンアップとはいっても、現在MacOSXでもっとも簡単にインストールを済ませることが 可能なパッケージが「PHP 4.3.0」となっているため、それを利用することになります。 現在、多くのホスティングサービスで利用されている「PHP 4.3.1」がこれに対してセキュリティ対策を 施したものであることを考えると、「PHP 4.3.0」はあくまでもクローズドな実験用として使用したほうが 良いだろうと思われます。 |
C:PHP 4.3.0にバージョンアップする 1)念のため「システム環境設定」の「共有」にある「パーソナルWeb共有」のチェックボックス がオフになっているかどうか確認してください。 2)必要なファイルを下記の場所からダウンロードし、StuffIt Expanderで解凍します。 3)「usr/libexec/httpd/」のオーナーを“システム”から“username(自分)”に変更。 4)解凍して出来た「libphp4.so」を「usr/libexec/httpd/libphp4.so」に上書きコピーをします。 5)「usr/libexec/httpd/」のオーナーを“システム”に戻します。 6)ターミナルに以下の文字列をコピー&ペーストし、リターンを押します。
7)ターミナルに以下の文字列をコピー&ペーストし、リターンを押します。
8)ターミナルに以下の文字列をコピー&ペーストし、リターンを押します。
9)次に「php.ini」を用意します。 テキストエディタで適当な場所に「php.ini」というファイルを作成し、その中に 下記の一行を記述し、改行を一回入れ、保存します。
10)このファイルを「usr/local/lib/」のなかに保存します。 「lib」ディレクトリが存在しない場合は、普通のフォルダと同様に作成してください。 また、アクセス権の問題でディレクトリ作成やファイル保存ができない場合は、 オーナーを変更し、作業後に元に戻して下さい。 |
これで、PHP 4.3.0 へのバージョンアップが終わりました。 「システム環境設定」の「共有」にある「パーソナルWeb共有」のチェックボックスをオンにして、 再度「http://192.168.0.x/~username/test.php」にアクセスしてみましょう。 PHP のバージョンが4.3.0になり、GDも使用できるようになっていることが確認できるはずです。 念のため、「register_globals」が「On」になっているかどうかも確認して下さい。 |
最後に MySQLのインストールを行ないます。 インストールに使用するパッケージは、TPJ<http://www.cosmos.ne.jp/~kaz6120/>のkaz氏が日本人&MacOSX用に作成された物で、StartupMySQL(MySQLをMac起動時に日本語で自動起動させるスクリプト)も一緒にインストールすることができる、とても素晴らしいものです。 氏のサイトには、MySQL、PHP等の情報が丁寧に解説されていますので、一読されることをお薦めします。 |
D:MySQL-3.23.55-maxのインストール 1)上記のサイトからMySQL-3.23.55-max(4.7mb)をダウンロードし、解凍します。 2)パッケージをダブルクリックし、インストールを開始します。 インストールの操作は、一般的なアプリケーションのインストールと同じです。 ※インストール場所は"/usr/local/mysql/"が自動的に選択されます。 ※同時に「StartupMySQL」ディレクトリが"/Library/StartupItems/"に作成されます。 XOOPSを使う際、MySQL-3.23.55-maxでもまったく問題なく動作しますが、どうしても最新(に近い)バージョンのMySQLを使いたいという人は MySQL.COMのMac OS X Package Installer downloads から MySQL-4.0.12-max (6.6mb) をダウンロードし、2に続けて上書きインストールをしてください。 (注意)momonai 自身は、MySQL-4.0.12-maxへのバージョンアップを行なっていませんので、トラブルの発生の有無等を確認していません。バージョンアップする場合は、自己責任でお願いします。 |
E:MySQLの設定
2)データベースの初期化(データを格納するディレクトリの作成)をします。 ターミナルに下記の文字列をコピー&ペーストし、リターンキーを押してください。
3)MySQL関連のファイルのオーナーとグループの所有権を「mysql」に設定します。 ターミナルに下記の文字列をコピー&ペーストし、リターンキーを押してください。
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F:「hostconfig 」の書き換え 1)「private/etc/hostconfig」のオーナーを“システム”から“username(自分)”に変更。 2)テキストエディタで「hostconfig」を開き、下記の記述を追加し、保存します。 記述する場所は、一番最後の行でかまわないでしょう。(最後の改行を忘れないように。)
3)「private/etc/hostconfig」のオーナーを“システム”に戻す。 |
G:MySQL の rootユーザーのパスワード設定と動作テスト 1)MacOSXを再起動し、MySQLを起動させます。 TPJ<http://www.cosmos.ne.jp/~kaz6120/>のkaz氏が作成したインストーラによって Mac起動時にMySQLを日本語で自動起動させるスクリプトもインストールされているはずです。 2)ターミナルに下記の文字列をコピー&ペーストし、リターンキーを押してください。
3)rootユーザーのパスワードを設定します。 ターミナルに下記の文字列をコピー&ペーストし、リターンキーを押してください。 (xxxxxxxx の部分に新しいパスワードを入力する)
以上でMySQLが使えるようになりました。 続けて動作確認をおこないます。 4)ターミナルに下記の文字列をコピー&ペーストし、リターンキーを押してください。 直後にPasswordを求められますので、先ほど登録した文字列を入力して下さい。
5)無事に動作している場合は、ずらずらっと文字が表示された後にプロンプト(username%)が 下記のように変わります。
6)MySQLの操作を終了する場合は、プロンプト(mysql>)のあとに 下記のように入力し、リターンを押します。 「\」を入力すると、ターミナル上では「\」と表示されますが、これで正常です。
7)ターミナルを終了させてください。 |
以上で、MacOSX上でXOOPSを使用するためのすべての環境が整いました。 このあとにphpMyAdminをインストールし、それを利用してXOOPSで使用するためのデータベースを作成する作業に移るわけですが、これらの作業はすべてのプラットフォームで共通のものですので、ここでは割愛させていただきます。 長々とした駄文に目を通していただき、本当にありがとうございました。 |